「寄せ物手法」とは、クリスタル等の多様なパーツを寄せ集めてデザインし、各パーツを固定する爪・土台部分および飾りに使うワイヤー等の金属パーツの一つ一つを、手で曲げたり、ハンダやロウ付けの溶接方法でつなぎ合わせて形成する技法のことです。
手作業の工程が多く、製作時間を要するので、大量生産には向きませんが、キャスト物では表現できない繊細で立体感のある仕上がりが魅力です。
高度なテクニックを要することもあり、現状ではこの技術を伝承する職人は数少なくなっています。
近年のアクセサリー作りの主流は「キャスト」という手法で、「型」に金属を流し固めてパーツを作り、そこにクリスタルを接着して成形します。
大量生産が可能で、コストも抑えられ、納期的にも早く上げられますが、大きなデザインやパーツを多用すると製品が重くなり、使い心地や強度に影響します。
「寄せ物」では、クリスタルを留める薄くて丈夫な土台パーツの爪をつなぎ合わせて、石留めします。
キャスト物よりも軽く、大きなクリスタルを多用するデザインも可能となるので、ブライダルティアラや、劇・ショーの舞台で使われるアクセサリーなどは、遠くからでもその放たれた輝きに魅了されます。